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坂本竜馬が草鞋を捨てブカブカな西洋式革靴を履いて帯刀和服姿という“洋才和魂”。それから100年以上経った今日、確かに日本の靴はファッションでは世界の一流を多く生み出しています。しかし、ことに健康靴、ハンディキャップのある人の靴、治療のための靴、そして一番基本的な「個人個人の足に合わせた靴」に関する認識は、はなはだ遅れているのが現状です。
足に障害をもった子供たちに履かせている、真っ黒でいかつい革靴。お医者さんに処方してもらった足底板や装具は靴に入らず、24センチの女性が男物の26センチのズックしか履けないと嘆く人たち。足に障害のある老人の衰えた足を助けているというよりは、介護者が履かせやすくて脱がせやすいことを優先しているとしか思えない靴。魚の目やタコだらけの足が痛くて仕方がないのに、会社で決められているからと、その粗悪なパンプスを止められない女性と、止めることを許さない会社。幼稚園から始まる学校で強制的に履かされる“上履き”や、医療のプロが履くお粗末なナースサンダル、子供の健康のためといって足を過剰に保護したスニーカー・・・。多くの間違った靴による健康への弊害は、数え上げたらきりがないほど深刻なものです。
“医療の靴先進国”ドイツを中心としたヨーロッパの歴史ある靴文化と高い技術を持つ人々の指導のもと、私たち日本の靴技術者は、日本の靴の売り手側や買い手側、そして医療関係者にも、本当の靴をもっと知っていただき、日本の靴の現状を微力ながら変えていきたいと考えています。 |
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